long(RIKKAI@)
俺の答え
「んん…」
意識が浮上し、ゆっくりと目を開ける
(あれ、俺マネージャー業やってたんじゃ…なんで寝てるんだ?)
「気がついたか」
声のする方へ目線をずらすと見慣れた銀髪が目に映り、優しく頭を撫でられる
「マサくん!?」
「スポドリ、飲めるか?」
「う、うん」
仁王の手を借りながら起き上がり、渡されたスポーツドリンクを飲む
「まさかおまんが倒れるとはのぉ、俺はてっきり寝不足で熱中症になった俺が倒れて空風に看病してもらう話の流れかと思ってたぜよ」
「話の流れって……迷惑かけてごめん。あと、昨日の事も」
「迷惑やと思っとらんよ。俺の方こそ悪かった。つい意地を張ってしまったきに」
「俺、今まで人を好きになったことなかったから恋人の定義とかよく分かってないけど、マサくんは俺の大切な恋人だから、だからこれから一緒に色々気づいていきたい思ってる」
「大切な恋人か、嬉しいのう」
「マサくん俺のこと嫌いになってない?」
「まさか、なるわけないぜよ」
「好き?」
「好いとうよ空風」
「へへ、俺も」
照れたような安心したように微笑む。そんな羽月を仁王はいつものように優しく撫でる
「よし、俺は復活したから次は俺がマサくんを看病しようかな!」
「そうじゃな、そろそろ戻……は?」
すっかり元気になった羽月はベッドから起き上がり、戻ろうかと椅子から立ち上がった仁王の両肩を掴み今まで自分が寝ていた場所へ押し倒す
「空風…おまんも大胆になったのう……」
「マサくん昨日の夜から朝までずっと練習しててあんま寝てないんでしょ?休めなきゃ」
「俺は大丈夫ぜよ」
「ダメダメ、そんな目の下に隈作りながら言われても説得力ないって。しばらく安静にしてて」
「はぁ、分かったぜよ」
引く気のない羽月に大人しく言う通りにする事にした仁王
「羽月サン、それ飲みたいナリ」
先程羽月が飲んでいたスポーツドリンクを指差す。羽月はキャップを開け、仁王の上体を一度起こし、ペットボトルを渡すが受け取る気配がない
「ちょっと、飲む気あるの?」
「プリッ。俺は安静にしてなきゃいかんからのう、空風が飲ませてくれんと」
まだ熱中症の症状が残っているんじゃないかと思わせるくらい顔を真っ赤にする羽月に仁王はニヤリと楽しそうに笑う
「看病、してくれるんじゃろ?」
「んうう〜〜どうにでもなれ!」
一口含み仁王の唇へ運び、溢れないよう気をつけながら注いでいく。コクコクと喉を鳴らしながら飲み、口内も味わうように羽月の舌に自分の舌を絡める
「んっ…はぁっ、ハァ…」
「…もっと、欲しいのう」
流し目でそう言われ悪態をつきながらも断れるはずがなく、仁王が満足するまで繰り返す。
しばらくして仁王が眠りにつき羽月は銀色の髪を梳きながら仲直り出来たことの嬉しさと、いつも年齢より大人っぽく見える仁王の寝顔は意外とあどけなさがあり、「可愛い」と呟き、微笑む。
練習から帰ってきたレギュラー陣は看病されているはずの羽月が看病していて、看病しているはずの仁王が看病されている状況がしばらく理解出来ずにパニック状態になるのであった
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