long(RIKKAI@)
サプライズ
「合宿の間空風に会えないん辛い…」
三日後全国大会前のテニス部レギュラー強化合宿が待ちわびている
だが俺にとってはその一週間憂鬱以外の何者でもない
「なんで?辛いことないだろ?」
退院して復帰した幸村がなんでもないように言う
「恋人と過ごせない夏休みがどれほど辛いか分かってるんか、俺はひと時も離れたくないというんに」
「仁王のやつ、なんかおかしいこと言ってるねー空風」
「ねー精市くん」
俺はこの暑さと三日後の事を考えすぎてついに幻聴が聞こえるようになったのか。空風の声が聞こえる
「は?空風!?」
「やっほー。お疲れ様、マサくん」
ひらひらと涼しい顔で手を振る空風
「おま、何でここにおるん!?」
「空風は俺が合宿の間の臨時マネージャーを頼んだんだよ」
「今日は何をすればいいのか勉強に来た」
幸村よ、おまんは神か。
誘ってくれたのはありがたいが、距離が近いぜよ。ああ、腰を抱くんじゃない。その細い腰は俺の…
「合宿の短い間ですが、よろしくお願いします」
「羽月サーン!マネやってくれるんスかー!俺超頑張るっす!」
「フフッ、一週間よろしくね切原くん」
「それじゃあ俺は空風にマネージャー業を教えてくるから真田、ちゃんとみんなの指導よろしくね」
「うむ。皆、夏休みだからといって気を緩めるなよ!」
そう真田が喝を入れダルそうに返事をする部員にお決まりの台詞が飛びだす。その光景を微笑ましく笑い「行こうか」と幸村は空風を連れ、部室へ姿を消してしまった。
後ろからジャッカルと丸井が「よかったな」なんてニヤニヤ笑っていた
「全く、とんだサプライズぜよ。幸村も空風も俺よりペテン師じゃき」
「迷惑だったかな?」
「まさか、めちゃくちゃ嬉しいナリ」
不安げな顔をする空風を後ろから抱きしめる
「こ、こら、外だよ;」
「合宿中も空風に会えるなんて夢のようじゃ」
「喜んでもらえたならよかったよ。マネージャーとしてもよろしくね、マサくん」
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