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long(RIKKAI@)
ご褒美と再度








《side仁王》






「観に来てくれたんにすまんなぁ」




関東大会全ての試合が終わり立海は準優勝とゆう結果に終わった。




「ううん。マサくんかっこよかったよ、大会で柳生くんと入れ替わるなんて思いもしなかった!」



「相手の裏をかくための戦略じゃ。実際うまくいったからの」



「誰も思いもしないような戦法で勝っちゃうなんてさすがマサくん。精市くんの手術も成功してよかったね」



「ああ、本当にな。しかし準優勝じゃあ空風からご褒美もらえんのう」




空風は一瞬キョトンとしたが思い出したように「あー」と言った後考え込む




「結果は準優勝だったけどマサくんは全部勝ってたよね?」



「まあ、そうやの」



「なら特別!有効にするよ」




並んで歩いていた空風が俺の前にピョコンと出る




「それは嬉しいが、ホントは言ってみただけで褒美なんていらんよ」



「ええー!」



「気持ちだけ受け取っとくぜよ。ありがとさん」




ぷくーと膨れる空風の頬を突く




「奢って欲しいとか俺にして欲しいこととかないの?」



「おまんにして欲しい事か、そうじゃのお…」




考え込むと空風はワクワクとした表情で待っている
して欲しいこと、それはあるにはあるが……




「なに?なに?」



「文句言わんか?」



「それはものによるよ」



「そんじゃあ…キスしてほしいナリ」



「……え?」



「これがおまんにしてほしいこと」



「本気で言ってるの?」



「ああ、本気じゃ」




一歩歩み寄るとジリッと下がり慌てる空風




「ちょ、ちょっと待ってよマサくん」




そんな制止の声も無視し、空風の右腕を引き右手で頬を包み唇を合わす。空風の表情を見るのが怖くて目は瞑ったまま、唇を離し抱きしめる。




「……いいって言ってないのに…」



「悪い、けど我慢出来んかった」



「強引だよ…」



「…………」



「…………」



「…………」



「…マサくん?」




もぞっと俺の様子を伺おうとする空風を強く抱きしめる




「あの日、」



「うん」



「俺が告白したん空風聞こえてたんじゃろ?」



「……うん、最後だけね」



「どう思ったん?」



「どう思ったかは分からない、けど気持ち悪いとかは思わなかったよ。むしろ嬉しかった」



「……あんま期待させるような事言わんで…」



「ご、ごめん」



「俺はもうおまんを友達として見れんけぇ、そうゆう目でずっと見とった」



「…………」




黙ってしまった空風と体を離し頬を包み見つめる




「俺は空風を好いとう」




喋らず俯いてしまっている空風の頭を撫で安心させるように微笑む




「返事は急がん。くれなくてもええ、けど俺がまだそうゆう風に思ってるって事は伝えたかった」



「うん……」



「そんじゃ、また学校でな」




背を向けひらひらと手を振る。
本当は今すぐ気持ち知りたかったし返事くれなくていいなんて嘘だが、空風を少しでも安心させるにはああ言うしかなかっただろう。

次に学校へ行った時、休んでいた訳ではないがあいつの姿を見かける事はなかった。












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あきゅろす。
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