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long(RIKKAI@)
訪問と一歩









「いらっしゃい柳くん」




送られてきた地図を頼りに家へ行くと、いつもきっちり着こなしている制服とは違って部屋着なのかTシャツにハーフパンツといったラフな格好をして笑顔で迎え入れてくれる羽月
広い玄関をぬけて階段を上がり羽月の部屋へ案内される




「親御さんいないみたいだが?」



「父さんは仕事で帰って来ることが少ないんだ。今日も帰れないって連絡が来てたから遠慮なくくつろいで大丈夫だよ」




母親の名前が出て来なかったので何か訳ありなのだろうと変に詮索はしなかった




「そうか、なかなかいい部屋だな。フルーツ餅とゆうものを持って来たのでよかったら食べてくれ」



「なにそれ、めちゃくちゃ美味しそう!一緒に食べようか」




目を輝かせる羽月。
もちろんフルーツ好きだとゆうのは調査済みだ




「少し待っててね!あ、ソファーに掛けてて」




部屋を出て皿と飲み物をお盆に乗せて上機嫌で戻ってきた。




「わあー、見た目すごいおしゃれ」




箱を開けるとそれぞれ中に入っているフルーツの形に模した色とりどりの餅が並ぶ




「好きなのを食べるといい」



「それじゃあいただきます」




さくらんぼの形をした小さな餅を小さな口が一口で食べると笑顔になる




「すっごく美味しい!そういえば俺がお礼する側なのにいいのかなあ」



「お前に喜んでもらえたなら俺も嬉しいからいいんだ」




「変な柳くん」とケラケラ笑って次は苺型の餅を食べる




「柳くんって和菓子好きなの?」



「ああ、洋菓子も嫌いじゃないがどちらかといえばな」



「柳くん和服とか似合いそうだもんね」



「家でたまに着るな」



「かっこいいんだろうなあ」



「お前も似合うと思うぞ」



「そうかなあ、しばらくは着てないや」




何気ない話をしてフルーツ餅を食べ進んでいく




「結局俺が全部食べちゃったけどいいの?」



「お前の為に持って来たからな」



「そう?ありがとう、ごちそうさま」



「お前はよく食べるのに細いな」




細さを確かめるように太ももを撫でると小さく跳ねる羽月




「うーん、太りにくい体質なのかなあ、仁王くんにも細いって言われたよ」




一瞬驚いたようだが俺の言葉に答える
また仁王か…、抵抗しないのをいいことに次はハーフパンツの裾から手を入れ内腿を撫でて軽く掴んでみると、小さく「んっ…」と声を漏らす




「や、なぎくん…?くすぐったいんだけど」



「…お前は、仁王とはどういった関係だ」



「え?どういったって…仁王くんは友達だよ」



「普通の友達はキスしない。それに、お前は人前ではあまり言ってないが最近お互い名前で呼びだしただろう」




さらに脚の付け根に向かって撫で上げると切ない吐息が漏れだす




「あれはっ、仁王くんの…んッいたずらで、それに…仲良くなれば、名前でっ…ハァ…呼びあったりするでしょ」




眉間に皺を寄せ顔を赤くして途切れ途切れに答える




「恋人関係にあるんじゃないのか」



「恋…人って、俺たち…ンぁ、男同士だよ?ハアッ…今日の柳くん…なん、か変…」



「お前が言っていただろう」




訳が分からずに、きょとんとした顔で見られる




「好きになったものは仕方がないと。俺は男だがお前が好きだ」




少し涙目の瞳が見開かれる。ズボンの裾から手を抜き、羽月の後頭部を抑え顔を近づける。戸惑う羽月をよそに唇を合わせると甘い香りが漂う、
反対側の手でズボンの上から羽月の中心に触れると大きく肩が跳ね、羽月の手が俺の胸を押して唇が離れる




「っはあ…ッア、柳く、あぁッ…や、やぁ…ヤダっ…柳くん!」




首を大きく振り大粒の涙がながれるのが見え俺はようやく我に帰る




「す、すまない…羽月。どうかしてた」




呼吸を乱し子供のように泣きじゃくり続ける羽月。こんなことがしたかったんじゃないと後悔する




「今日は帰る。本当に申し訳ない…」




居た堪れないのと、今はこいつを一人にした方がいいと考え部屋を出ようと立ち上がると熱い手に腕を掴まれ驚き羽月を見る




「ダメ…今帰ったら柳くんこれから俺を…避けるでしょ?そんなの、嫌」



「しかし、お前も気まづいだろう」



「柳くんは気が動転してただけでしょ?」




涙を拭き、ふわりと笑う
ああ、こいつは外側だけでなく心もどうしようもなく綺麗だ
抱きしめると背中を優しくさすられる




「俺はお前が好きで、それにお前を襲おうとしたんだぞ、怖くないのか?」



「好きってゆうの本当だったんだね、ありがとう。君の気持ちに今は答えること出来ないけど、好きになっちゃったもんはしょうがないもんね」



「ははっ、振られてしまったな。やはり仁王か」



「なんで仁王くんの名前が出るのさ。仁王くんとは本当に何もないんだって」



「なら、これから先もお前を想い続けても構わないだろうか?俺にもまだチャンスあるよな」



「うん。…うん?」




戸惑った解答に笑い、力を込めて強く抱きしめてから身体を離し、笑い合う
お互い少し昂ぶってズボンを押し上げている存在には気づかないふりをする。











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あきゅろす。
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