long(RIKKAI@)
喫茶店と甘党仲間
《side丸井》
休日、今日は部活もなくフラフラ街を歩いていると見たことがある後ろ姿を発見する
「お、羽月くんじゃねーか」
「丸井くん、奇遇だね」
振り返りにこりと笑う
「何してんだ?」
「暇だったから散歩してた。丸井くんは?」
「俺もそんなもん」
「時間あるなら俺行きたいところあって付き合って欲しいんだけどいいかな?」
困ったように聞く羽月くん
「いいけど、どこにだ?」
「喫茶店。そこのフルーツパフェがずっと食べたかったんだけど、一人じゃなかなか行けなくて」
「なに?!俺もそこのパフェずっと気になってた!行こーぜぃ!」
よかったあと嬉しそうに笑う羽月くんを連れて例の喫茶店へ行く
羽月くんとはあまり話したことなくて仁王の超お気に入りって事は知ってるが知らない事の方が多い。そんなあまり話したことがない人と場面で一緒にパフェを食べることになる
「ここ前にも来たことあるんだけどよ、マジでここのフルーツ美味いぜ」
「ほんと?俺フルーツ大好きだから期待高まるなあ」
ワクワクした表情で注文をする羽月くんに俺も同じのを注文する
待ってる間、俺はずっと疑問に思ってた事を投げかける
「羽月くんってなんで仁王とそんな仲いいんだ?」
「んー、仁王くんと一緒にいると楽しいし落ち着くからね」
何でそんなことを聞くのかと不思議そうな顔をする
「前クラス同じだったとかじゃないだろぃ?突然仲良くなりだしたよな」
「屋上で話しかけられてからかな。そのまま一緒に授業サボって話してた」
その日初めて話した奴と一緒に授業サボって話すのかよと思ったが、自分もこの状況が同じようなもんだからまあそんなもんかと解決する
「仁王ってお前にべったりすぎねぇ?うっとおしく思ったりしねーの?」
「そーかな?気にした事なかったけど」
きょとんとした表情で答える羽月くんに対し「いやいやさすがに度が過ぎてるだろぃ」とツッコミを入れる。
きっとこいつは気づいていないが、あいつは羽月くんのことlikeじゃなくてloveだろぃ
そう考えていると注文したフルーツパフェとオレンジジュースが来る
「わー、すごいボリュームだね!食べきれるかなあ」
「こんなの余裕だろぃ」
目を輝かせ桃をぱくりと食べ幸せそうな顔に俺も自然と顔が綻ぶ
「でもまあ…」
何かを思い出したように羽月くんが口を開ける
「俺も大概仁王くんに執着しちゃってると思うんだよね。彼は一見ドライそうにも見えるけど、優しいし俺の欲しい言葉をくれるし、何より俺を孤独にさせない。一緒にいて居心地がいいんだ」
嬉しそうに話す羽月くん
お、これは仁王にもチャンスあるか?
「羽月くんって仁王のこと好きなの?」
「うん、好きだよ?」
「えええええ!!」
迷わず答え、イチゴを口に運ぶ羽月くんの回答に周りの目線も気にせずに思わず叫ぶと羽月くんは驚いた顔をする
「わっ、どうしたのいきなり叫んで」
「そりゃ羽月くんが仁王のこと好きなんて言うから」
「え?あ…違うよ!好きってそーゆー意味じゃなくてね、えっと…友達!友達としてだからね」
顔を赤くし、焦りながら弁解する羽月くんが面白くて笑う
「なーんだ、焦ったぜ」
「もー変なこと言わないでよね」
困った顔をしながら笑う羽月くんに「わりぃわりぃ」と俺も笑う。
やっぱり仁王の片想いだったかーあんなに嬉しそうにあいつのことを話してたからてっきり羽月くんも仁王のこと好きなのかと思ってたぜ。
またパフェを食べ始め、ここの店がオススメだとか、あのコンビニデザートが美味しいだとかの話をして盛り上がった。
食べきれるかなぁと言っていた羽月くんだったが、ちゃんと完食していて羽月くんって意外と大食いだったりするのかとか考える。
明日仁王に羽月くんと喫茶店行ったこと自慢してやろ
(にーおっ♪)
(なんじゃ気持ち悪い)
(気持ち悪いとはなんだ!それよか聞けよ、俺昨日羽月くんとパフェ食いに行ったんだぜ)
(は!?何で誘わなかったんじゃ)
(いや、突然決まったことだったし、それにお前甘いの食わねーだろぃ)
(空風…俺とも行ったことないのに…)
その一日パッチンガムをいつも以上に仕掛けられた
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!