long(RIKKAI@)
入れ替わりと応援
《side柳生》
「マサくん」
仁王君と入れ替わりの研究をしてお互い格好を入れ替えていたら彼の名前が呼ばれる
「おや、羽月君。仁王君にご用ですか?」
「うん。聞きたいことあって」
それに対して本物の仁王君はというと、私のフリを続けていたので私も彼のフリをすることにした
「どうした?」
「えっと…委員会が早めに終わったから部活見ていきたいんだけどいいかな」
どう答えたらよいか仁王君に目配りをすると頷いたので承諾する
「ああ、見ていきんしゃい」
「よかった、ありがとう。今は休憩中?二人ともお疲れ様。飴どーぞ」
羽月君から飴玉を受け取る
「この前の練習試合すごい迫力あったね。俺テニスの試合生で見るの初めてだったけど本当見てて楽しかった」
嬉しそうに言う羽月君にこちらも嬉しくなる
「そーか、楽しんでもらえてよかったぜよ」
「そう言っていただき嬉しいです。ありがとうございます」
「二人共息ぴったりで柳生くんがちょっと羨ましいな」
「羨ましい?」
きっと仁王君には聞こえないであろう小さな声で羽月君がつぶやく
「それじゃあ俺図書室に荷物置きっぱなしだから取りに行ってから行くね。マサくんと柳生くん、また後で。それと、二人ともその髪型も似合ってるね」
「…………」
「…………」
笑顔を残し去って行く羽月君を見送り沈黙が流れる
「いつから気づいてたんか空風の奴」
「きっと最初からじゃないですか?一度もそれぞれに向かって名前を呼んでいませんでしたし」
入れ替わりを一発で見破るとはさすがですね。
そして仁王君と息がぴったりな私を羨ましいと言っていた彼、仁王君が彼をかなり一方的に気にかけているように思ってましたが、どうやらそうでもなさそう
見抜かれて悔しいのか嬉しいのか複雑じゃー
と頭を抱えてる仁王君に向かって静かにエールを送る
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