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01 イチャついてません。


「柚香、今日も部活?」
「もちろん!」


6時限目終了のチャイムが鳴り、急いで鞄に教科書を詰める。


「毎日大変やんなあ」


隣の席の友人、実里はそう言うけどそんな事もあらへん。や、大変なんは大変なんやけども。


「うちなんかそんな大変ちゃうよ」


どっちかちゅーと…


「木下、行くで」
「あ、白石。ちょお待って!ほな、また明日ね」
「頑張りや〜」


うちなんか全然大変やない。一番大変なんは、そう。テニス部員の方や。


実里に軽くさよならして、白石と教室を出た。


「そういや謙也は?」
「委員会やなんや言うてたで」
「そうなんや〜」


いつもは、白石と謙也と3人で授業が終わったら部活へ向かう。なんや1人おらんだけでも変な感じ。


「せや。今日の練習メニュー、オサムちゃんに聞いて来たで」


鞄からクリアファイルを取り、それに挟めてあったルーズリーフを1枚、白石に渡す。今日は職員会議があるらしく、オサムちゃんは部活に顔を出すのが遅れるらしい。せやから、こうしてうちがオサムちゃんから練習メニューを聞いてメモしておいた。


「お。おおきに」



白石はそれを受け取ると、真剣な表情で一通りメニュー内容を確認する。


「初っ端からグラウンド30周とか、ホンマ容赦ないよなオサムちゃん」
「…まあな」


うちの言葉に白石は苦笑いを浮かべ、せやけど、と言葉を繋げた。


「ゴールんとこに柚香がおるし、頑張れるで」
「…どこのホストやねん」
「ホスト?」
「言い方がなんかキザ臭い」
「ホンマのことやんか」
「…………」


天然なのか、それともわざとなのか。白石はたまにこうやって恥ずかしいことをさらりと言う。(しかもさりげに名前呼び)


「ゴールんとこに立ってんのは当たり前やろ。皆のタイム測ってんのやから」
「照れとんのか?」
「ちゃうわアホ!」
「耳真っ赤やん」
「〜〜〜っ」


なんやねんなんやねんなんやねん!!そないな顔して笑わんといてよ!かっこよ過ぎやねん!!


「あああ〜〜〜っ!!」


するといきなり、背後からめっちゃでっかい声。それは廊下中に響き渡り、周りの生徒皆がその元凶に振り返った。もちろん、うちと白石も。


「白石と柚香がイチャつきよる〜〜!!!」
「「…金ちゃん…」」



見事にハモった白石とうちを見て、さらに金ちゃんはでかい声を発した。


「声揃うた〜!めっちゃ仲ええなあ〜〜!!」


金ちゃん。頼むからもう喋らんといてください。付き合うとるだけでも周りの女子からの視線が痛いのに、そんなん言うからさらに視線が痛くなるやないの。もう殺されてもおかしくないレベルやで…


「金ちゃん。あんま廊下ではしゃぐもんやないて、前にも言うたやろ?」
「なら廊下でイチャつくんはええんか?」


うお。金ちゃんが白石に逆ろうた。


「…金ちゃん。今のはイチャついてんのとちゃう」
「え〜!イチャついてたやん!」


金ちゃん!!イチャイチャイチャイチャ言うのやめて!!痛いから!ホンマに痛いから視線が!


「今のはな、金ちゃん」


せやで白石!金ちゃんの誤解を解くんや!(ついでに周りの女子たちのも)











「ラブラブしてたんや」

























被害拡大
(イチャイチャとどう違うん?)(イチャイチャっちゅーんはな、例えば2人っきりのとき部屋で…)(白石ィィィ!!!)









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あきゅろす。
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