[番外編] 2005.05/02日 そして、あの白龍も例外ではない。 現在、今も昔も変わらず日本極道界の頂点に立っているのが、あの白龍組である。 日本全国を取り仕切る白龍組の部下は、幹部から下っ端をあわせて軽く10万人。その下にいる、親と杯(さかずき)を交わした分家を含めれば、100万人は超えるという。 その裏ではトップの大組織。 白龍組の頭である白龍朗吾(はくりゅうろうご)組長の光り志気、 継の襲名を指されているのが、 先程『珍獣』だと言った、白龍正吾である。 彼は見てくれ雰囲気からして、一般人とは相容れないものを感じさせる。 家柄や名前を言わなくとも、 周りは只ならぬオーラを感じて一歩退いたりと深い付き合いを避ける。 だからと言って、 白龍正吾は悲観的にひねくれたりともせず、豪胆な芯の強い性格に育った。 どんな時でも屈しない、肝の座った所は間違いなく父親譲りだ。 そして、何事も寛大で情に人一倍厚く、懐の広い男だった。 でも彼が、 誰かを自分から人に近づくのは大変珍しい。 なぜなら、白龍正吾は自分を好いている人間には好意的で、自分に興味を持たない奴には近寄ろうともしない。 なのに自分から誰かを求め、遊希に積極的に近づいているのだ。 ヤクザの息子である彼も、 どっぷりと遊希にハマったのは間違いない。 [前へ][次へ] [戻る] |