[前]雲色の願い
3
「恭樺!」
急いで駆け寄り、抱き上げる。
たぶん、自分の部屋と間違えて僕の部屋に入ったんだろう。
恭樺の息は荒く、頬は赤に染まっていた。
恭樺に触れている場所から熱が伝わってくる。
一旦恭樺をソファに下ろして、並盛中央病院に電話をかけた。
『…はい、並盛中央病院です』
二回ほどなった後、繋がった。
「救急車を寄越して」
『はい
住所と名前をどうぞ』
「雲雀恭弥」
名前を言えば受話器の向こうがざわつき、椅子が倒れたような音がした。
『ヒ、ヒバリ様!!!』
すぐに向かわせます!!!と言った後、ガチャッと切られた。
…すぐと言っても5分はかかるか…
スッと恭樺の側に腰を下ろす。
「恭樺…」
熱くなった頬に手を添える。
その時恭樺がゆっくり目を開けた。
「……きょ……く……」
「恭樺、大丈夫。安心して」
「…ハァ……ぅん……」
(そうして)
(再び瞳を閉じた)
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