[前]雲色の願い
3
それから、僕と恭弥君は順調に成長して
中学に入ってからは、マンションに一人暮らしするようになった(部屋はお隣さん)。
風紀委員の活動場所を応接室にしてくれたのは恭弥君。護身術とかを教えてくれたのも、トンファーをくれたのも恭弥君。
…彼とずっと一緒にいたら
僕は、代わりじゃない
…そう思い始めた。
でも…
「僕は、卒業するよ」
…彼が3年、僕が2年の時に言われた言葉。
あれ、何故?風紀委員長は学校卒業するっけ?まだ、彼は…沢田綱吉は入学してないよ?
僕の頭はパンク寸前。
「後は頼むよ、恭樺」
彼にそう言われた時、
涙が溢れてきた。
一度は覚悟した運命。
だけど、彼の出現によって
安心してしまっていた。
僕の思いが、崩れさるように
涙が溢れてきて。
「…ック…ぁ…」
どんなに拭っても、溢れてくる涙。
ほら、ね?あの最強風紀委員長は、涙なんて流さないんだよ?ねぇ、恭弥君………
…チュ…
…私の涙は
止まった。
目尻に、熱いモノ。
顔に、熱が集まるのが
良くわかった。
(…涙を止めたのは)
(彼の、唇)
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