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[前]雲色の願い
始まり



…僕は、必要だった?





小さい頃、両親に聞いた。
両親は
笑ってくれた。


僕が傷を作れば、
女の子なんだから、あんまり無茶しちゃダメよ
と母は言い、
父は
良いじゃないか
と笑ってくれた。



…幸せな生活。

夢、幻想…


全て、゙私゙の為のモノじゃない。
゙僕゙の為のモノだ。



゙私゙はさ、







…幸せを、求めちゃダメなのかな…









゙前の世界゙は


手を伸ばせば、擦り抜けた。


゙今の世界゙は


手を伸ばせば、ちゃんどあ゙る。





こんな幸せな日々が、何時まで続くのか。
僕にはわからない。





けれど、その時まで
この日々を楽しもうと思う。







────並盛中学校、3年、雲雀恭樺。


1年生、入学。



桜の舞う中、


彼を



見つけて、しまった。







(あぁ、もう?)

(早いね、時が過ぎるのは)

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