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[前]雲色の願い
3



「おお!ヒバリも出るのか?棒倒しに」

「…笹川了平。君は僕を怒らせたいのかい?」



棒倒しは男子限定競技。
生憎、僕はこれでも女でね。女の僕じゃ出られないんだ。



「お前なら男の中に居ても平気だろう」

…それ、どういう意味?



…よし。


「ねぇ、君」

「はっはい!!」


僕はさっきの実行委員に声をかけた。
何を言う為かって?

決まってるじゃない。


「棒倒し、僕も参加するよ」






「…なんで?」


目の前の棒の上にいるのは
たぶん、男ではないであろう
彼女がいた。


あれ?これって棒倒しだよね?
なんで女子がいんの!?


もう一度、彼女に目を向ける。


彼女はこちらなど気にする事をせず
ただただ、空を見上げていた。

彼女の黒髪が
風のふく度揺れていて

凄く、綺麗だった。


「…青、空」



空を見ていたら、視界の隅に何かが写った。







(ソレは)

(紫の、蝶)

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