[前]夜空舞う、銀の蝶 2 ───病院。 「ツナ、大丈夫?」 ガラッと扉を開ければ、大丈夫じゃないよ…とツナの声が聞こえた。 ツナのベッドの近くの椅子に腰掛ける。 ツナを見れば、包帯グルグル巻き。 アンタはミイラですか って言いたくなる感じ。 …まぁともかく。 今日はお見舞いだけの為に来たわけではない。 今日はツナの誕生日。 ちゃんとプレゼントだって持ってきたのだ。 「ツナ、誕生日おめでとう」 「…え?」 誕生日おめでとう。 そう言えば、なんとも間抜けな声を発した。 はい、とプレゼントを渡す。包みが開けられないらしいので開けてあげる。 中身は、リボーンとおそろいのモノ。 ツナはリボーンと一緒でがっかりした。 でも、蝶はもう一つ持ってきていた。 コロン、とツナの手の上に何かが落ちた。 「…指輪…?」 それは、オレンジ色に輝く石が填められた指輪だった。 それを蝶が取って、チェーンに通してツナの首にかけた。 「御守り、ね」 と。 蝶の表情は 切なくて、悲しかった。 (…未来は) (変えてみせるから) [*前へ][次へ#] [戻る] |