[前]夜空舞う、銀の蝶
3
「おはよ──ございます10代目!!」
バッと頭を下げた隼人君に驚くツナ。…隼人君の声に驚いたって方が正確か。
ツナに頭を下げる隼人君を見たクラスの人は、どうなってる、的な会話をしていた。
ツナは目を付けられたくないから、必死に弁解している。
そんな中、根津が話を始める。
「あくまで仮定の話だが、平気で遅刻してくる生徒がいるとしよう。そいつはまちがいなく落ちこぼれのクズとつるんでいる
なぜなら、類は友を呼ぶからな」
…カッチーン。
またクズっつったよ、あいつ。
本当は私が直々に殺っちゃうのも良いのだが、今回は隼人君に任せる。
…ツナが私のせいで困るのは、見たくないからね。
「おっさん、よく覚えとけ」
「!?」
ずいっと隼人君は根津の方に身体を向けた。
「10代目沢田さんへの侮辱はゆるさねぇ」
ガッと根津の襟を掴み上げた隼人君。
私は心の中でガッツポーズをした。
(ナイス隼人君!)
そんな私とは違い、皆は驚いているし
ツナに関しては
オレの名前出すなよ──っ
とか考えているのだろう。頭を抱えていた。
振り返る隼人君は満面の笑みだが、
根津は死にそうだった。
(隼人君…)
(流石に殺人はちょっと…)
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