[前]夜空舞う、銀の蝶 2 あぁ、 大人って、汚いな。 せっかくお母さんが産んでくれたのに、 生きていくのが また、 嫌になっちゃうよ。 「ぁ…蝶ちゃん」 「なんですか?」 「私達はね…―」 また、必死に弁解する。 …滑稽だよ、オバサン達。 「私は、独りで生きていきます」 凜とした声。 たった5歳が出す様な声じゃない。 冷めきった瞳。 大人達は顔を青褪めさせる。 ―それでも汚い大人は、 近付いてくる。 「蝶ちゃん、貴女まだ5歳でしょう?」 「ご飯とか洗濯とか、出来ないでしょう?」 「どうやって一人で暮らすの?」 5歳、ね… 精神は15歳以上、とっくに過ぎている。 ―「黙れ」 「…え?」 「私は、独りで生きていける。そう言ったんです」 (お母さん、私) (少し…疲れたよ) [*前へ][次へ#] [戻る] |