[前]夜空舞う、銀の蝶 2 動きづらい。 これだから着物は嫌だ。 動きづらいったらないんだもの。 でも、これが正装だからしょーがない……のか? と門を開けて外に出ればツナ、京子、了平先輩にばったり。 京子も着物で、了平先輩は袴姿だった。 「明けましておめでとう、ツナ、京子、先輩」 「おう!今年もよろしくな!!」 「明けましておめでとう、蝶。着物綺麗だね」 「ありがとう、京子」 そんな会話をしていたのだが、ツナからの返事がない事に気付く。 「ツナ?」 「…………」 …綱吉は固まっていた。 いつもとは違う雰囲気の蝶を見て、驚いたからだ。 (蝶ってこんなに………) 「……ナ……… ツナ!!!」 「え!!?な、何!?」 「何、じゃないでしょ。それはこっちのセリフ なんで固まってんの」 え…いや、その… と口ごもる内に隼人君達が来た。 「明けましておめでとう、皆」 「おめでとうございます、蝶ちゃん! はひっ!!蝶ちゃん、いつにも増してビューティフルです〜」 (…そんな事) (ないけど…) [*前へ][次へ#] [戻る] |