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[前]夜空舞う、銀の蝶
九代目



───お母さんがいなくなって
もう、数ヶ月が経った。

私がお世話になっている沢田家の人達は優しくて…

ツッコミの…、ツー君(奈々さんに“ツー君”と呼べと言われた)。
温かい人、奈々さん。
面白い人、家光さん。

皆…素敵な人達なんだよ?

私は幸せ者だなって…
思うんだ、お母さん。





「ツー君、蝶ちゃーん
おじいちゃんが来たわよ〜」


(…おじいちゃん?)


ツー…、ツナのおじいちゃん…かな?


玄関にツナを連れて行くと

白髪の、優しそうなおじいさんが、家光さんと立っていた。

「ほら、ツー君に蝶ちゃん。おじいちゃんに挨拶しなさい?」

奈々さんがツナの背中を押すので、ツナはちょっと俯きがちに、こんにちは、と言った。
恥ずかしがりやなんだな、たぶん。


あ、私も挨拶しないと…


「初めまして、私は蝶と言います」


…保育園とか通ってるぐらいの子が、こんな挨拶するもんだから
驚いちゃってるよ、おじいさんと家光さん。
二人とも、すぐに笑顔になったけど。



「あぁ…初めまして、蝶ちゃん」


笑顔で握手を求めてきたおじいさん。
私も手を差し出して握手を交わした。

おじいさんの手は皺が多くて、少し怖くなってしまったのも事実。
でも…、


温かかったんだ、奈々さんや…お母さんみたいに。







(この人は、)

(…もしかして…)

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