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[前]夜空舞う、銀の蝶
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「それにひきかえ、オレなんてバカの一つ覚えみたいに野球しかやってねーや」

「なっ、何言ってんだよ
山本はその野球がすごいじゃないか」

「そうだよ。私は、何か一つでも頑張ってる事があるのは良いと思うよ?」



そう言えば、サンキュ、と少し顔を赤くし、笑顔で答えた。

武君は最近野球が上手くいってない事を話した。
初のスタメン落ちかもしれないらしい。

そんな武君の力になりたい。
でも…どうすれば良いか、わからない…

…私には、どうする事も
出来ないのかな…


…ツナにどうすれば良いか聞いた武君。ツナは驚きの声をあげた。

だけど
すぐにいつもの表情に変わった。


…ツナも、私と同じ考えをしてるみたい。
武君のあんな顔…初めてみたから…
どうにかしたいって、思う。


ツナは目を泳がせながら、努力しかないんじゃないかな、と言った。

武君は、オレもそう思ってた、と言ってツナと肩を抱き合っていた。



「お〜し 今日は居残ってガンガン練習すっぞーっ」





───「武君」

「ん?どうした?」

…あんまり、無理…しないでね?



私の目を見て、なんでだ?と返してきた。
私は、努力し過ぎだからスランプなのかもよ、と言った。

「リフレッシュ期間が必要なんだよ」

「…そか。ありがとな、蝶」


ううん、と言って武君に手を振った。


私達はバイバイと手を振り合った。

…武君の背中を見て、不意に変な予感が走った。

なにか…大事な事を忘れているような…







(嫌な)

(予感がする)

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あきゅろす。
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