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[前]夜空舞う、銀の蝶
4



少女の瞳は、ただ、玉が入っているだけにも見えた。

そんな少女の唇が、微かに動いた。





「…か……さ……」



小さく、か細い声。

だが、次はちゃんと耳に届いた。




「お、母……さ…ん……」





ブワッ!!!



「ッ……!?」


それは突風が吹くような。海の荒波に呑まれたような。


そんな中で、少女と世界が消えた。


そして、世界が万華鏡のように変わり始めた。





────これは、悠嘉の記憶なのかもしれない。



不意に、そう思った。




世界に写る小さな少女は今自分の腕の中に居る少女に酷似していたからだ。



少女は小学校に上がり、普通に生活していた。中学校に上がり、その学校とは違う黒のセーラー服を身に纏い、風紀の腕章を付け戦っていた。

…あの制服は…黒曜中……あの黒服は……あの白と黒は………──







(パチン)

(と、世界が変わった)

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あきゅろす。
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