[前]夜空舞う、銀の蝶
3
前髪を分け、ゆっくりと額にキスを落とした。
────…ン
その時。音がした。
───…ーン
何かが、弾け飛ぶような、そんな音。
何かは、世界かもしれない。
────シャーン…
その音と共に世界が変わる。
僕と悠嘉は座っているのに、下には何もなかった。
ただただ夜空が広がっていただけ。
「これは…」
小さく驚きの声を漏らした瞬間、目の前に小さな光が現れた。
なんだ、と目を凝らして見れば、それは小さな少女だった。
その少女は俯いたまま。ずっと地面を見つめていた。
その少女はその視線を少し上に上げた。
(その時の少女の瞳は)
(ひどく虚ろだった)
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