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[前]夜空舞う、銀の蝶
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゙眠りな゙



先輩の言葉に目を閉じた。


抱き締められて先輩に近くなったからか、規則的な音が聴覚を支配した。




────眠るって、少し怖いんだ。


起きたら、いつもの風景が広がっていれば良いけど。

もし、違う風景が広がっていたら。

そう思うと、少し怖い。

もしかしたら、その風景すら見れないまま終わるかもしれない。




ズクン、ズクン、と痛む頭を先輩が優しく撫でてくれる。
絡まる指先に力が入る。

痛みを耐え心音を聞く。

少し、早い音。でも何故か安心出来た。


今なら────…


と私はその音に身を委ねた…




────「…」

呻き声が、寝息に変わった。

寝息の合間に小さく声が漏れる。


抱き締めたまま寝るのは苦しいか…?
と考え、片膝を立て背もたれにし、頭を自分の首元に押し付けるような体勢にした。


ゆっくり顔を覗き込む。悠嘉は苦しそうに顔を歪めていたが、先程より明るくなった。







(…昔、君に何があったんだい?)

(さらり、髪を撫でた)

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