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[前]夜空舞う、銀の蝶
2



しばらく星を眺めている内に、はっ…と気が付いた。



──蝶がいない。


どこに行ったんだろうとツナは辺りを見回す。
その姿を見た京子がツナに声をかけた。


「ツナ君どうしたの?」

「えっ…あ、いや…」


少し歯切れが悪いツナだったが京子はそれほど気にしていなかった。

蝶がいないなぁ…ってさ
とハハ…と苦笑気味に零す。

その言葉を聞いて京子はハッと辺りを見回した。


「本当だ…どこに行ったのかな…」

「さっきまで俺の横に居たんだけど…」

そこはもぬけの殻。
だが、最後に見たのは10分ぐらい前の事だった。



「だからそんなに遠くには行ってないと思うんだけど…」

蝶に何かあったのか。
ツナの不安は募るばかり。

居てもたっても居られなくなる。


「京子ちゃん!俺、ちょっと探しに行ってくる!」

「え!なら私も…」

「いや、京子ちゃんは待ってて!
蝶が戻ったら連絡してほしいんだ」


じゃあ行ってくる!
と走り出したツナの名前を叫ぶ京子。
その声はツナに届いていなかった。







(蝶…どこ!?)

(ツナ君…)

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