[前]夜空舞う、銀の蝶
2
少しして、シャマル達が部屋に入って来た。
「蝶ちゃん!!
一命は取り留めたみたいだな」
「と言うかいつも通りだな」
「それ隼人君が言う?」
隼人君の姿はあの小さな子供じゃない元の姿に戻っていた。
「あの姿も可愛かったのに、残念」
「Σなっ…」
顔を赤くした隼人君を見て、くすりと小さく笑った。
その後、ツナと隼人君を部屋から出し、この三日間何があったのか説明され、こっちの状況も説明した。
「──んで、それがその瞳って訳だ」
指が右目を開け、光を当てる。
「別になんもねーな」
「そっか」
確かに見た目には出ていない。
でも確かに入った。
…それさえ夢だったのか。
今じゃもうわからない。
ふっと瞳を伏せると、布団を握り締める手に小さな手が重なった。
「リボーン…」
「ヒロは、笑ってたか?」
「…うん」
ヒロとは、たぶんお父さんの事なんだろう。
リボーンは、
なら、お前も笑え
と言った。
なんで、リボーンがお父さんの事を知っているのか、わからないが
(リボーンの言う通り)
(笑う事にする)
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