[携帯モード] [URL送信]

[前]夜空舞う、銀の蝶
別れと、それから



────…


あぁ…あれ、光かな…

眩しい………




…────







ゴホッ!!


ゴホゴホと咳込む。
海に溺れた後みたいだ。


酸素がいきなり入ってきた感じで、なんだか気分が悪くなった。



自分の姿が戻ったか見ようと手を上げようとしたら、

手を包む温もりに気づく。


起き上がり酸素マスクを外し、手の温もりの正体を見る。


「……ツナ…?」



寝息を立てている少年の柔らかな髪を撫でる。


そのせいか、ん…、と声をあげ少年の瞼が上がった。


「おはよう、ツナ」



「…あ、げは……蝶!!」


ツナは蝶の姿を見て、手を伸ばしキツく抱き締めた。


もう離さない、そう言うように。


「ツ、ツナ…苦し…っ」


「ご、ごめん…」


ふっと力を緩めるも、離そうとはしない。


「もう、少し」


このままが良い。



蝶はくすりと笑みを零し、ツナの背中に手を添えた。







(温かい)

(生きている)

[*前へ][次へ#]

6/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!