[前]夜空舞う、銀の蝶
3
「…悠嘉!!」
蝶の名前を叫び、ぱっと表情を明るくさせる凪。
凪はぎゅっと蝶の腰に手を回す。
飛び付かれた反動で、後ろに倒れる蝶。
でも下は花で生め尽くされて、痛くはない。
凪に今日は何日かを頭を撫でながら問う。
28。凪は気持ち良さそうに目を閉じながら言った。
そっか、と小さく呟けば、
顔を上げる凪。
「悠嘉…?」
「なんでもないよ?」
「……なんでもないよ、って…なんで?何も言ってないのに…」
「!」
しまった、ハメられた!!
…凪はそう感じてないみたいだけど。
でも一度気付かせちゃえば、
「何かあったの?」
あーあ…私のバカ。
そっと
凪の小さな手を握る。
その温もりを感じて、
ゆっくりと離した。
小さく私の名前を呟く凪。
私は気付いた。
自分の足を、良くみる。
足はもう薄くなっていた。
後少しのタイムリミットを語るように。
(凪)
(ごめんね?)
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