[前]夜空舞う、銀の蝶
2
少女は少しずつ、風化していく。
そして、私に流れ込んだ。
「ごめん、ごめんね…私」
流れ込んでくるのは、苦しくて悲しい気持ち。
私が、彼女[ワタシ]を捨てたから。
私が、彼女を拒絶したから。
彼女は一人でずっと
ここにいたんだ。
少女の唇が少し動く。
「いっしょに、いていい?」
「うん…うん…!」
゙…ありがとう…゙
そっと、彼女が私の右目に触れた。
その時、スッと何かが右目に入った気がした。
゙力に、なる。私が、貴女[ワタシ]の゙
貴女と一緒にいる為の、対価。
────そっと右目に触れる。
少し、熱い気がした。
*
ゆっくりと、光が広がってくる。
私は彼女の為にここに呼ばれたとしたら、
もう、もう一人の迷子の娘とは、
(お別れ)
(かもね)
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