[携帯モード] [URL送信]

[前]夜空舞う、銀の蝶
ゼンセ



振り返る。



瞳で、見据える。



立っているのは、小さな少女。



少女と言っても、今の私より年上の子。



少女から、血が絶えず流れ続けていた。


その少女は、私を見ると、薄く笑みを浮かべた。













「…てくれた」






「え…」






「やっと…

───やっと、見てくれた」






少女はスッと手を伸ばす。

それは、私には恐怖にしか感じられなくて。


でも────…






────知ってる。


なんだか、懐かしくて…



ツ…と指先が頬を撫でる。




その指先から、色々なモノが流れ込んでくる気がした。





────そうか。




少女は、気付いた。




────コレは…この娘は…




少女は、思い出した。





────…私だったんだ。







(私が)

(私を嫌ってた頃の私)

[次へ#]

1/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!