[前]夜空舞う、銀の蝶
5
ツナは恭弥先輩と互角だった。
だけど…
シュウウウウゥ
「い゙!?」
「あ」
死ぬ気モードが解けてしまった。
ツナに勝気がなくなった。
でも、勝ったのはツナ。
何故かって…
恭弥先輩が膝をついたから。
シャマルは殴られた瞬間にトライデント・モスキートを恭弥先輩に発動したらしい。
ツナが、あの酔っぱらいが、と驚けば
「わりーけど超えてきた死線の数がちがうのよ。ちなみに、こいつにかけた病気は
桜に囲まれると立っていられない゙桜クラ病゙つってな」
(またヘンテコな病気だ──)
(変な病気を恭弥先輩にかけやがって!!)
その時、恭弥先輩はふらふらと立ち上がり桜クラ病にかかったまま帰っていった。
「…ツナ」
「?」
「先輩が心配だから、ちょっと行ってくるね」
そう言って走っていく蝶の背中に、行ってらっしゃい、と呟いたツナの声は
彼女に届いているわけもない。
*
「先輩、大丈夫ですか?」
「…別に」
(別にって…)
(だって蝶には構ってほしい)
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