[前]夜空舞う、銀の蝶 お花見 「え?お花見?」 早朝。 バイクの音がして、気になって外に出てみれば 恭弥先輩がいた。 なんでも、お花見をするとか。 それで迎えに来たらしい、が。 「寝起きなんですけど」 「待っててあげるよ なんなら僕が着替えさせてあげても「お断りします」…早くしなよ」 パッパと制服に着替えて、外に出る。 先輩からヘルメットが手渡され、被る。 ……てかコレ。 「私の……?」 …先輩は普段ヘルメットなんて被らない。 私が呟けば聞こえていたのか、そうだよ、と言った。 早くしなよ、と急かされながらバイクに跨がる。 先輩の肩を掴めば、その手を腰に回される。 「落ちたいの?」 って。 落ちたくはないけど、この体勢もちょっと… ……でも、 先輩の鼓動がリズム良く聞こえて、先輩の匂いがする。体温も伝わってくる。 ……おかしくなりそう。 バイクが走り出して、風を切る。 でも、 (なんだか) (熱かった) [次へ#] [戻る] |