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[前]夜空舞う、銀の蝶
5



………遅ぇ。



自販機を探してるにしても遅過ぎる。
動物園の中にはたくさん自販機があったし、
何より蝶が迷うわけがない。



「探しに行くか…」


本当は待っていた方が入れ違いにならなくてすむから良いのだろうが、素直に言おう。蝶が心配だ。


蝶が走っていった方に歩き出す。

その時、声が聞こえた。



「………離せ!!!」



「蝶?」


数十メートル先に蝶はいた。
男達(柄の悪いな)に囲まれて。


「いーじゃねーか、少しぐらい遊ぼうぜ」

「離せっつってるでしょ!!(てかどんだけベタなナンパだよ!!!)」

「ほらほら、お一人様ごあんなーい」

「イヤっ「離せよ」…ぇ」



蝶に触んじゃねぇ!!!

ボムに着火して投げる。

そして気付いた。


(あっ蝶は!?)


…あの中に、蝶はいたのだ。


爆風の中に一つの影が動いて、向かってきた。



ぽすっ。



「………バカ」

「蝶!大丈夫か?」

「私じゃなかったら死んでるんじゃない?」







(そう、)

(笑顔で言った)

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