[前]夜空舞う、銀の蝶
4
…つーか、
頭の下にある柔らかいのは、なんだ?
少し頭を動かす。
「…ッ、隼人く…
あんまり動かないで…くすぐったいよ」
「!!!?」
蝶の甘い声に驚く。
…まさか…
ひ、ひひ、ひひひひ膝枕ぁぁあ!!?
確かに、蝶が上から見下ろしている。
てか、柔らけぇ…女ってこんな……
…………じゃねーよ!!!
うわぁぁぁ!!!と頭の中で悶えていると、さらり、と髪を撫でられた。
「顔赤いよ?熱でもあるの?」
「いい、いや!ない!全然ない!!」
「そう?
…でも暑いよね、飲み物でも買ってくるよ」
「いや、俺が…」
そう言えば、ダメ、と肩を押される。
「疲れてるんだから、ゆっくり休んでて」
「…おう」
俺が起き上がれば蝶は立ち上がって、自販機まで走っていった。
ベンチに横たわり、さっきの感触を思い出してしまった。
「っ…俺は変態か…」
空を見上げて、太陽を見る。
眩しくて、目が眩んだ。
(あー熱い)
(心臓うるせぇ)
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