[携帯モード] [URL送信]

[前]夜空舞う、銀の蝶
2



「隼人君、早いね」

「わっ!!!」


ひょっと視界に入ってきたのは、蝶。

蝶は不思議そうに俺の顔をまじまじと見た。


……っつーか


顔、近ぇ!!!


蝶の肩を押して離れる。
熱の集まる顔を隠しながら、行くぞ、と蝶の手をひいて行った。



(…なんだ、この気持ち…)

(どうしたんだろう?)






蝶は目を輝かせていた。


「…珍しいか、そんなに」

「いや…来た事、ないから」


……やべぇ、地雷踏んだか?


さっきまで輝いていた瞳が曇った。
どことなく下を見つめている。


「…私、家族いないから…」


ぽつり、と呟く。
独り言か、俺に言っているのかわからない呟きだった。

悲しそうにする蝶に、言ってやった。


「俺の方はもっとドロドロだぜ」


と。



蝶は、少し笑顔になって

ありがとう、と言った。



その時の笑顔は、すげぇ綺麗だった。



「あ」

「なんだ?」

「馬だよ馬!!」







(はしゃいだ)

(子供)

[*前へ][次へ#]

2/8ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!