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[前]夜空舞う、銀の蝶
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ゆっくり、蝶の髪に触れる。
それから頬を包んだ。


たまらなくなって、

唇を、重ねてしまった。



「…っん…」


少し離して、また重ねる。


それを何度も繰り返した。



おかしい、よな。俺は京子ちゃんが好きな筈なのに…


…蝶に、ドキドキしてる。



重ねて、離れて、また重ねて。



それを繰り返してる時、ぎゅっ…と手に力が込もる。



眠りが深いのか、蝶は目覚めていなかったが、苦しかったみたいで無意識に手に力を込めたらしい。



それによって、現実に引き戻された。


「…っ、ハァ…」




…ごめん、蝶。







手も離してくれないし、ここに置いて行くわけにもいかない。

と言う事で、蝶を背中に背負った。


背中に感じる蝶の体温に、またおかしくなってしまいそうになった。


家路について、母さんに蝶の事を頼んで、俺はそのまま眠ってしまった。


布団の中で、そっと唇に触れた。







(触れたい)

(もう、一度)

100414

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あきゅろす。
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