[前]夜空舞う、銀の蝶
6
「ツナ、すっごい綺麗だよ!!」
そう言う蝶を見る。
蝶の横顔は夕日の明かりに照らされて……
「…綺麗だ」
…ドクン
「!!」
早くなる音を静める為胸を押さえ付ける。
何か言った?と振り向く蝶に、なんでもないよ、と笑顔で返す。
────そう言えば、蝶は夕焼けから夜空に変わる瞬間が好きって言ってたな。
なんでも、あの色が変わる瞬間が凄く綺麗なんだとか。
でも、もう一つ理由があると言っていたっけ…?
……なんだったかな……?
*
「わー!!雪だぁ」
「ホワイトクリスマス、だね」
「うん!」
遊園地を出て、イルミネーションが見える丘にいる。
白いベンチが幾つかあるから休めるんだ。
蝶は夜空に向かって手を伸ばしていた。雪が降り注ぐ中。
「…蝶?」
蝶は、何も答えない。
「…アゲハっ!!!」
行かないで!!!
(あれ…?)
(どうして、俺…)
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