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[前]夜空舞う、銀の蝶
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「ツーナ」

「わっ!!」

「お待たせ…
って、そんなに驚かなくても…」


今日の蝶は、可愛い…

いや、いつも可愛いんだけど…


…いつもは、綺麗って感じだけど
今日は…なんか可愛いんだ。具体的に説明出来ないくらい。


ピンクの服の上に黒いコート。あまり好きじゃない黒のミニスカート(制服はヒバリさん特注らしい…)。
ニーソを履いて黒いブーツで決めている。



行こう、と蝶が声をかけてくれるまで…ずっと見とれていた。





「ツナ、どこ行こうか」

「え?うーん…
蝶はどこか行きたい場所ないの?」


そう問い掛ければ、うーん…と考え始めた。


「…あ!」

「思い付いた?」

「うん!
遊園地に行ってみたい!」






蝶にとって、遊園地は未知の場所だった。
両親を早くに亡くした蝶は、遠出など出来るはずもなく。中学生になったら忙しくて行く暇もなかったのだ。


だから蝶ははしゃいでいる。

いつもは大人っぽい蝶が、今日は子供らしかった。







(こんな蝶)

(初めてだ)

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