[前]夜空舞う、銀の蝶
4
「ツーナ」
「わっ!!」
「お待たせ…
って、そんなに驚かなくても…」
今日の蝶は、可愛い…
いや、いつも可愛いんだけど…
…いつもは、綺麗って感じだけど
今日は…なんか可愛いんだ。具体的に説明出来ないくらい。
ピンクの服の上に黒いコート。あまり好きじゃない黒のミニスカート(制服はヒバリさん特注らしい…)。
ニーソを履いて黒いブーツで決めている。
行こう、と蝶が声をかけてくれるまで…ずっと見とれていた。
*
「ツナ、どこ行こうか」
「え?うーん…
蝶はどこか行きたい場所ないの?」
そう問い掛ければ、うーん…と考え始めた。
「…あ!」
「思い付いた?」
「うん!
遊園地に行ってみたい!」
*
蝶にとって、遊園地は未知の場所だった。
両親を早くに亡くした蝶は、遠出など出来るはずもなく。中学生になったら忙しくて行く暇もなかったのだ。
だから蝶ははしゃいでいる。
いつもは大人っぽい蝶が、今日は子供らしかった。
(こんな蝶)
(初めてだ)
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