[前]夜空舞う、銀の蝶
7
「奈々さーん」
「なぁに?蝶ちゃん」
「はい。今日はバレンタインデーですから…」
「あら〜今年も?毎年ありがとう
蝶ちゃんのお菓子は毎年毎年美味しくなるから楽しみよ」
奈々さんのおかげです、と言えば
そんな事ないわよ〜、と返してくる。
そう言っている奈々さんの顔は笑顔で、その笑顔を見ていると
もう殆ど思い出せないようなお母さんが思い出せて
昔から、好きだった。
そんな事をしている内に、玄関の扉が開いた音がしたので
私は服を持って下に降りて行った。
*
「お疲れ、ツナ」
「蝶!」
ほいっ、と服を渡し
ツナと一緒に二階にダッシュで上がって行った。
*
「ツナも大変だったんね〜」
フゥ太もランボも偉かったね、と頭を撫で撫ですれば
擦り寄ってきた。
まったく…マフィアって言っても、やっぱり子供だな〜と実感しながら二人を抱き締めた。
「でも良かった〜ポイズンクッキングのチョコを食べる事にならなくて」
その言葉は、正しいって言えば正しかった。
(゙チョゴはね…)
(…え?)
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