[前]夜空舞う、銀の蝶
2
いつもそうだ。
蝶は、隠してる。本当の気持ち。
悲しいなら、縋ればいいのに
縋ろうとしない。
一人で乗り越えようとする。
………俺はそんなに頼りないかな……
確かに小さい頃から蝶に守られていた。
でも、話しを聞くぐらいならできるんだ。
話したら、楽になることだってあるのに……
「げっ」
さっき考えていた事は、母さんがきた事によって遮られた。
先生は、あえて数学の得意ではない生徒をあてると言い出した。
ツナは隣でオレじゃんと青くなった。
でも、数学が得意じゃない生徒は他にもいる。
「山本、いってみるか?」
「!」
「ちぇ。いきなりかよ──」
「いつもの汚名返上といってくれ」
ツナはほっとしていた。
でも武君は、勘で正解を当ててしまった。
それでクラスは大盛り上がり。
剛さんは
今夜は大トロだ!!
と親バカぶりを発揮していた。
隼人君はいつも通り。
授業態度の悪さは人一倍だった。
(少しは態度)
(改めよーよ、隼人君)
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