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[前]夜空舞う、銀の蝶
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「悠嘉、顔見せて」

「…っイヤ、です…」


そう言えば、身体が温もりに包まれた。


「先輩…離してっ…」

「イヤだ」


イヤだ、の一点張り。

腕の力は強くなるだけ。


でも、顔だけは

見せたくない。


「…悠嘉」

「ゃ…です…」



ハァ、と溜め息が聞こえて

ぐるんと、反転したように感じた。


驚いたが、状況を確認するには手を外さなきゃいけない。

………嫌、ムリ。


そう思ったが、先輩が私の腕を掴んで
離させた。


「やっ…」

「………」


先輩に、見られた。

真っ赤な、顔。


恥ずかしくてたまらない。
スッと顔を逸す。


でも、ダメだった。


先輩は私の顎を掴み、上を向かせた。

そして、



「…ん…ッ…」



唇が触れた。

啄むような、キス。


唇が離れて
最初に言われたのは

これがキスだよ


でした。







(ご馳走様)

(美味しかったよ、悠嘉)

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あきゅろす。
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