[前]夜空舞う、銀の蝶
7
「…あの、先輩…」
「何」
「もの凄く、恥ずかしいっていうか…その……」
何、この体勢。
現在地、先輩の膝の上。
しかも、肩には先輩の顔で腰に腕をまわされていた。
いやね、確かになんでもするって言いました。
でもまさかこんな体勢になるとは。
しかも先輩はまだ私になにかやらせようとしているらしい。
「悠嘉」
「なんですか、委員長」
嫌味ったらしく言えば、顔がムッとなった(ちょっと可愛いかも)。
が、次の発言は
全然可愛いものではなかった。
「キス、して。悠嘉から」
「…………ぇ」
はい?
「先輩、今、なんて…」
「二回も言わせないでくれる?
…キスしてって言ってるんだよ」
「…その、マジで?私から?」
私の問い掛けに頷く先輩。
なんか、空笑いしかできないよ?
「せ、んぱ……冗談キツいです、よ…あは…」
「冗談じゃないよ」
(耳元でダイレクトに流れ込んできたのは)
(先輩の、声)
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