[前]夜空舞う、銀の蝶
4
言わなきゃわからない。
言わなきゃ伝わらない。
*
「…先輩、もう離してくれません?」
「嫌だ」
………だだっ子ですか、貴方は。
と言うか、
苦しいんですが(ずっと胸あたりに頭を押さえ付けられているからである)。
この状態が何分も続いてるんだけど
…なんかもう、トキメキも何もないよね。
その時、外が騒がしくなり
扉が、開いた。
「!」
「やあ」
「ツ、ツナぁ!?」
ツナ、放心状態。
フリーズしちゃってるよ…
さすがに人に見られてると恥ずかしいものがある………
先輩に、離して、と言っても逆に腕の力が強くなるだけ。
「…先輩、風紀委員会辞めますよ」
「………」
パッと腕が離れた。
なんでかと言えば
風紀委員会に入ったのは自分の意思だが
誘ってきたのは
先輩だからだ。
ツナに声をかければ
ハッと私を見てきた。
(蝶!)
(ヒバリさん!?)
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