[前]夜空舞う、銀の蝶
4
「それはまだ、わからない」
「…」
…わからない?
そうか、まだ他の十代目候補が…死んでないんだ…
でも、結局…
ツナが十代目になるのは…
必然、なのかもしれない。
ギュッと拳を握り締め、唇を噛む。
必然は、人には変えられない。
運命じゃない、必然。
ツナを、守るには…
後、もう一つの選択肢を…
選ぶしかない。
「九代目、もう一つ…良いですか?」
「言ってごらん」
「私を、鍛えてほしいんです」
「…」
鍛えてくれたお母さんは、もう…いない。
…九代目にしか、頼れない。
「…わかったよ、蝶ちゃん。」
「!」
優しい笑みを浮かべた九代目。
大空に相応しい、ボンゴレのボス。
「君のお母さんには色々世話になってね。…君の学費の援助や、君の願いを出来るだけ聞こう」
「ぁ、ありがとうごさいます!」
頭を下げてお礼を言うと、頭を上げて、と言われた。
九代目が、こちらへ、と言ったので近寄ったら
手を広げられ、ピンを渡された。
「…これは?」
「髪が邪魔だろう?それを付けると良い」
紅色のピン。黒髪に良く合う色だった。
「ありがとうごさい…っ!?」
ピンを付けると、
意識が…遠のいっていった…───
(九代目!これはっ…)
(この娘の力は、強過ぎる)
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