[前]夜空舞う、銀の蝶
3
「九代目、お願いが…あります」
「なんだい?」
─「ツー君…いや、沢田綱吉を…ボンゴレ十代目に、しないで下さい…」
「「!」」
流石に、この願いは予想できなかったらしく
二人とも驚きを隠せていない。
「君は…、一体何者だい?」
最初に口を開いたのは九代目。
(…私が、誰…か…)
私は自分の左腕の袖を捲り上げ、
蝶の痣を見せた。
「私は…ボンゴレ同盟ファミリーの一つ、日本のマフィア…夜蝶組の十代目候補、
夜空、蝶です」
(夜空…そうか、彼女の…)
薄い空色の瞳、黒色だが光の角度で銀にも見える髪。
間違いない、彼女の…娘だ。
強い瞳は…彼女譲りだろう。
黒髪は…彼の物だね。
…そうか、
君が…
(…夜蝶組、知ってる、よね…)
半信半疑で言ったは良いが、
無言で見つめてくる相手を見ると
…なんか、不安になる。
せめて、なんか言って下さい。
───…私は、未来が変わってしまっても…
(この家族を)
(守りたいんだ)
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