[携帯モード] [URL送信]

[前]夜空舞う、銀の蝶
6



「ツ…ツナ、は……

…守り、たいもの…です…」



先輩の肩が
微かに動いた。


「守りたい、もの…?」

「…はい」



…そう、と先輩は腕の力を弱めた。

今なら抜け出せる。
そう思い、先輩を押し退けた…



…つもりだった。


「!」


…そう言えば。
ドアを開けて抱き締められたんだから
後ろは、ドアがあって当然だ。


後ろにはドア。
前には、先輩。

しかも、手…掴まれてる…


(…いつの間に!)

振り解こうと力を込めるが、びくともしない。

…まぁ、そうか。
相手はあの最凶なのだから。



先輩は私をドアに押し付けた。

何をするんだ、と先輩を見れば
先輩が口を開いた。

「君、僕に歯向かったよね」

「…」

「言ったでしょ?゙咬み殺してあげる゙って。でも止める。

…゙お仕置ぎにするよ」


…先輩。あんまり変わんない気がします。


先輩は私の目を手で塞いだ。


「ちょっ…先輩っ」

「黙ってなよ」


次の瞬間。


唇に、柔らかい、何かが…

重なった…




ソレが離れ、先輩の拘束もなくなり

「…先、輩?」

私は、崩れ落ちた。







(先輩は)

(何も言わなかった)

[*前へ][次へ#]

9/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!