[前]夜空舞う、銀の蝶
6
「ぅあぁぁぁんっ」
「どっ…どうしよう…!」
(なきやまないよ〜)
さっきまで大人みたいな女の子が、今度は小さい子(たぶん小さい子だけど…)みたい泣き出すし…
どうすれば良いか…
わかんないよっ…
取り敢えず、お母さんがいつもオレにしてくれる様に、抱き締めて頭を撫でてるけど…
泣きやまないよ…
「ツーっ君、どうしたの?」
「ひ…っく…」
「お母さん!」
(沢田奈々さん…?)
髪が長いけど…綱吉の母親だ。
「やだツー君、女の子泣かしちゃダメよ〜」
「なかしてないよ!」
奈々さんのボケ(?)に鋭くツッこむ綱吉。
この頃からツッコミだったんだ…
「あら、じゃあどうして泣いてるの…?」
「わかんない…」
目線を私に合わせる奈々さん。
(…優しそうな人…
私のお母さんも…こんな人だったな…)
「あら、この娘…蝶ちゃんじゃない」
「あ…げは?」
「なんで…知ってるんですか?」
名前を教えた覚えは…ない。
会ったのも初めましてだ。
「だって、お隣さんだもの」
奈々さんは私の頭を撫でながらニコニコして言った。
(となり…隣…
隣!!!?)
唖然としている私を見て、奈々さんは笑った。
…次の言葉を発した時は、真面目な顔だった。
「あと、私のお友達の子供だから」
(奈々さんのお友達…)
(それって…)
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