小説2 日差しを避けて 「あちー……」 春になって暖かくなったのは良いが、結構日差しが半端無く強い。 (でも、日陰だと寒いんだよなー) 短くなった煙草を携帯灰皿に捩じ込み、屋上を後にする。 (おー!いい感じ) カーテン越しの日差しは柔らかく、室内はぽかぽか気持ち良い。 校内の何処よりも快適な保健室で、機嫌良く煙草に火を付ける。 「あのな〜。此処は、お前の為の休憩所じゃないぞ!」 (あー、うるせー) 追い出されるのは嫌なので、口には出さない。 小言と、呆れた視線をやり過ごす………つもりが―――向けられた、呆れた眼差しが一瞬驚いた様にぴくりとし、嫌な感じににやついて―――反射的に、眉間に皺を寄せる。 「んだよ?」 「そ〜いう事なら、大歓迎だな」 「はあ?」 窓際のデスクから離れて、保健室中央に有る、俺の座るソファーに近付いて来る。 (?) 「エっロい格好」 目の前に来たシャマルが、人差し指でとんっと、胸の真ん中を付く。 「……は?」 突かれた指先に視線を降ろすと…… 暑くて第3ボタン迄外したシャツが、だらしなく着崩れていて…… いつもは着ているTシャツも、ブレザーを着る事を考えると暑いので、着て来なかった。 そのブレザーも、ソファーに放り投げている―――シャツ1枚で、充分な室温だから。 シャマルの人差し指は、はだけて覗く素肌に直接触れている。 (………) 今の自分の姿を認識して、かああっと顔に血が昇る。 「隼人ったら、大胆〜〜〜」 にやけ面で、胸を撫で回し始めた。 「ちげーよっ!放せ!放しやがれっっ!!」 《後書き》 この後結局暑くなって、だけどキスマークばっちりで、ブレザー迄しっかり着込まなきゃいけない羽目に…… ありがちなオチ(笑) 加筆してエロシーン書こうとも思ったけど、止めましたヾ(^_^;(だらだらしちゃいそうだから) [*前へ][次へ#] |