小説2 ご機嫌ななめ イライラ、イライラ…… なんだか、すっきりしねー…… とりあえず、授業なんて退屈なものはさぼり、屋上で煙草を吸う。 ごろりと寝転んだ床が、硬くて気に入らない。 見上げた空は青く、吐き出す紫煙がゆらゆら揺れて、消える。 (あー……空が青い) ぽかぽかと降り注ぐ陽の光と、さわさわ吹く風は気持ちが良い。 だけど、なんだか無性に苛々する気持ちは治まらない。 「なんだ、隼人か〜」 (『なんだ』って、なんだよ!) いつも通りのお決まりの台詞に、苛々した気持ちが更に急降下をする。 煙草を吸う程度の気分転換じゃ気持ちは治まらず、硬い屋上の床よりはマシだろうと保健室のベッドに潜り込むが…… (…硬い…) いつもは気にならないのに、安物のベッドの感触が妙に気になる。 (…最悪…) 寝心地の悪さに、溜め息が出る。 「どうした〜?」 ぽんぽんと、頭を叩かれる。 説明の付かない苛立ちを伝える気も、返事をするのも面倒で無視する。 「は〜や〜と〜?」 イライラ、イライラ…… 「ぅるせーな!聞こえてる!!」 がばりと起き上がり、八つ当たり丸出しで怒鳴りつけた。 (……は?……) 勢い良く身を起こしたら、ぎゅっと抱き締められた。 「……何、してんだよ……エロ医者……」 「ん〜」 シャマルの暖かな温もりが、包み込んでくれる。 「……もっと……」 すっぽり抱き込まれて、シャマルの背に腕を回してねだる。 (もっと) リクエストに答える様に、ぎゅっと抱き締める腕に力が籠る。 ぴったりと、隙間無くくっついて、シャマルの熱が伝わってくる。 イライラ、イライラ……が、―――とろとろと溶きほぐれて―――消えた。 「落ち着いたか?」 「………」 (ん…) 「ぐずる子供には、抱っこだな」 「ガキじゃねーっっ!」 終わり 《後書き》 なんなんだ……このお話しは? 自分内シャマ獄濃度が下がっていて、情緒不安定解消に書いた物(^_^;) [*前へ][次へ#] |