小説2 腹痛 「シャマル〜、腹痛ぇ〜〜」 よろよろと、おぼつかない足取りで保健室に入って来た隼人。 「あ〜…またか?」 「腹が痛ぇ〜〜〜」 腹に両腕を回し、苦痛に呻く。 「ビアンキちゃんの料理でも食ったか?」 (いや、その場合顔をあわせた可能性が高くなるから、ぶっ倒れてるか?) 「はぁ〜らぁ〜がぁ〜…」 地の底から響く様な低い、低〜い声のトーン。 「痛ぇっって、言ってんだよっっっ!!!」 バキッ!―――よろめき、唸りながら苦しんでいる隼人から、渾身の叫びと、右ストレート―――が、シャマルのボディーにヒットする。 「ぐあっ!?」 「……もう、ベッドで寝てろ」 「あ〜……腹痛ぇ〜…」 (俺も痛ぇ〜よ!お前の拳のせいで!!) もそもそベッドに潜り込むと、今度はごろごろ右に左に転がりつつ、暴れ苦しんでいる。 「ほら、診てやるから大人しくしろ」 声を掛けてやると、ぴたりと動きが止まる。 (あ〜、やっと静かになった……あ!?) ベッドから見上げて来る目付きが、普段の3割増しぐらいに凶悪さを滲ませている。 「シャマルのくせに!」 「はっ!?」 「髭面のくせに!」 「えっ!?」 「胸毛のくせに!」 「はあ!?」 治療してやろうという言葉を無視した暴言に、間抜けな合いの手を入れていたら―――がばりっ!バキッ!!ぼすん!―――青白い顔色、ぐったりとした状態からは予測不能な素早さで起き上がり、またしても右ストレートがボディーにヒット。そこで力尽きて、ベッドに落ちる。 「ぐあっ!?」 「うぅ……腹、痛ぇ〜」 「俺も痛ぇ〜よ……」 (……同じ場所、殴りやがって……) 終わり 《後書き》 生理痛で唸っている時に書いてみました(笑) 私、隼人君状態になります……(殴らないけど) う〜ん、迷惑な人間です|||(-_-;)|||||| [*前へ][次へ#] |