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小説2
臆病な心A
三日前、忽然と姿を消した隼人が、不意打ちの様に立っていた。
「隼人!」
後ろ姿でも見間違える事は無い、慣れ親しんだ気配を放つ存在。
振り向かない隼人の肩を掴み、そこから感じる熱が『幻では無い』と伝えた。



ボンゴレ坊主、守護者のガキ共が相次いで姿を消した事から、ボンゴレ絡みだろうとは予測していた。
しかし、何の前触れも無く姿を消し。
家光やディーノに聞けば、状況把握が出来ずにいて。
自分の情報網からも、何らかの組織や人間が動いた情報も得られず。
日々、不安は増していった。
それが、三日間の不在を『ピクニックで迷った』と片付ける隼人。
そんな、あからさまな嘘に付き合ったのは、隼人の瞳を見て。
再会した時、いきなり抱き付き、不安定に心を揺らしていた。
その様子に、何かが有った事は明白。
追求したくて、出来なかったのは、『ピクニックで迷った』と言った時の瞳の強さ。
強い意思の光を輝かせ、何かしらの覚悟を感じさせた。



僅か、三日間。
瞳に宿る強い意思と、裏腹に情緒不安定な心。
真実は謎のままでも、わかる事が有る。
三日間の日々の事を語らない隼人。
だが、隼人の身体を見てわかる事。
隼人の身体には、三日前には無かった傷跡が、いくつも有った。
その傷は、比較的新しいものと、三日以上を経過し、既に傷跡として身体に刻み付いたものが混在していた。
つまり、自分にとっては三日間の不在。
隼人にとっては―――傷跡からの推定で―――数ヵ月の不在。



傍らに眠る隼人。
カーテンの隙間から照らす月の光に、銀に輝く髪を梳きながら、見つめる先の顔は疲労の色が濃い。
飢えた様に求め続けるのに応じ、貪る様に身体を重ねた末に、意識を手放し、そのまま深い眠りに落ちた隼人。
きっと、この先こういう事は幾度と無く訪れるのだろう。
自分の知らない場所で、傷を負う。
「頼むから、無茶な真似はしないでくれよ」
言っても、どうにもならない事だとわかっている。
長く裏の世界に生きているからこそ、わかっている。
それでも、『無茶しないで欲しい』と思う。
「ちゃんと、帰って来いよ」
『生きて、必ず帰って来い』と願う。
何が有っても。



さらさらと指を滑る髪の感触。
触れた頬から伝わる確かな温もり。
「失う訳にはいかないんだよ」
(お前を)



唯一、俺を縛る存在。
俺を臆病にする、只ひとりの存在。
隼人だけが、俺を揺るがす。



《後書き》

祝!シャマル先生、アニメ出演!!!
Xデーは今週末☆☆☆


アニメからの妄想ネタ、第二弾です(^-^)v
シャマル先生視点です。
もっと内容濃く書きたかったのですが、短文なのでミニマムにまとめました!(文章能力が無いとも言う)
アニメ妄想ネタは、あと1話で終了です。
よろしくで〜すm(_ _)m


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あきゅろす。
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