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何も出来ずにただ黙っていると、千石が口を開いた。
その口から出た言葉を聞いた後、暫くの間時が止まったような感じがした。
「オレ達…もう別れない?」
突然の切り出し。
…イヤ、当然だな
オレに引き止める権利なんてねぇ
そう思っていると、無意識の内にこう答えていた。
『そうだな…』
千石からの別れを肯定する言葉。
顔には出さないようにしているが、体の感覚が無くなっていた。
頭のてっぺんから足の指先まで、全ての神経が機能していない感じがする…
「じゃ、そういう事で…バイバイ」
短くそう言って手を振ると、オレの元から去ってしまった。
いつもなら「バイバイ」の後に「また今度」というフレーズが付くのに…今日はそれが無い。
もう2度と会うことは無い
そんな意味が込められているのだろう…
1人きりになり、これも無意識に目から液体が流れてくる。
オレ…泣いてんのか?
…カッコわりぃ…
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