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「オレも好きです…ミナさん」
『…え?』
財前くんが知らないはずの私の名前を呼んだ。
しかも名字じゃなくて名前の方を…
…いや、注目すべきはそこではない。
今…私が…す、好きとか聞こえたんですけど…
夢?それとも幻聴?
信じられず、自分の頬をギュッとつねったり耳を押さえたりする。
「夢でも幻聴でもありませんよ」
『!』
私の心の声を見透かし面白そうにクスッと笑う。
そしてもう一度はっきりと言ってくれた。
「オレもミナさんが好きです」
『ん…!?』
大きく目を見開きポカンとしていると、突然顎を持ち上げられ唇を重ねられた。
『ンっ…んぅ…!//』
角度を何度も変えどんどん深くなっていき、舌を絡めとられる。
数十秒も長いキスが続き、ようやく解放されると目がトロンとして口の端から唾液が伝っていた。
『ざ…財前くん…夢じゃ…ないんだよね…?//』
ずっと一方的な片想いだと思っていたのでいまいち今起きていることが信じられない。
「まだ夢やと思うとるんですか?ほな…」
『ぇ…』
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